おむすび
『おむすびを食べて、死を思いとどまった人が居る。』
布団の上で、ぱらぱらと冊子をめっくていると、そんな一文に出会いました。
10年前の私だったら、まさか~!って笑っていたかも。
今は、思いとどまった人がおむすび食べてる様子が目に浮かびます。
「おむすびを握るということは、おむすびを通して握る人の心を伝えることです。その心が食べる人に伝わって、おいしく感じられるようです。」(『森のイスキア』佐藤初女さんのことば。冊子『ふくぐみ』vol.1より)
人が作ったものに感動するとき、もちろんかたちそのものや味そのものに感動するんだけれど、よくよくその感動を掘り下げてみると、その姿に至った作り手の思いとか、考えとか、気遣いとか、人となりが見えた気がしたときに感動してることが多いということ。30歳を前にやっとわかるようになってきました。
話は飛びますが、仕事もそうだと思います。
はじめて勤めた会社はメーカーでした。社内であっても「次工程はお客様」と思って仕事のバトンをつなぐよう教えられました。
たまに「仕事を投げる」「丸投げする」とかって表現を聞きますが、そういう意味ではもってのほかです。
丁寧に仕事を繋ぐことは、一見次の人のためのようで、その姿勢がちゃんと伝わると、よい仕事として自分に返ってくる。ゆくゆくは、社外のお客様のためになることも多かったと思うのです。
辞めて丸二年が経ちますが、初めて勤めた会社だったからか、尊敬できる人がたくさん居る部署だからか、サラリーマン時代に学んだことは多くて、今でもふと思い出します。